「サワディシンチャオ(旧:東南アジア10か国料理店)」公式ブログ

2021年1月まで存在していた飲食店。店は閉店しましたが事業は引き続き継続します。

カテゴリ: 東南アジアの食材

東南アジアの食材シリーズ。
今回は、当店のグリーンカレーの上に乗っていて、
「これは何ですか?」「食べられるものですか?」と
よく質問を受ける「胡椒」それも生の「生胡椒」について取り上げます。

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コショウ(胡椒、学名:Piper nigrum)は、
コショウ科コショウ属のつる性植物、または、その果実を原料とする
香辛料のことで、インド原産です。

収穫のタイミングや製法の違いで、黒胡椒、白胡椒、赤胡椒、青胡椒
といろいろな種類がありますが、本来の植物としての胡椒は
絵のように、緑色していてぶどうの房のような形をしています。


古代からインド地方の主要な輸出品でした。
紀元前4世紀の初め頃、古代ギリシアの植物学者テオフラストゥスは
『植物誌』の中でコショウと長コショウを考察しています。
コショウは当時から貴重で、取引における高値のさまは、
1世紀のローマにおいて金や銀と胡椒が同重量で交換されたかのような表現
が残っています。

その後も、冷蔵技術が未発達であった中世においては、
防腐剤の役目も果たし、料理に欠かすことのできないものでもあり、
大航海時代に食料を長期保存するためのものとして極めて珍重なものでしたので、
インドへの航路が見つかるまでは、ヨーロッパでは非常に重宝されていました。
十字軍、大航海時代などの目的のひとつが胡椒の入手ともいわれ、
中世ヨーロッパにおいては、香辛料の中で最も高価であり、
貨幣の代用として用いられ、
実際に金と胡椒が同重量で交換したという記録もあり、
ヴェネチアの人々は胡椒をさして「天国の種子」と呼んでいました。

現在ではラーメンなどにも入れる粉状のものをはじめ
香りを楽しむ?ためにミルでつぶすために売られている
乾燥したブラックペッパーやホワイトペッパーも普通に売られていて使いますが、

実はその胡椒を生で使用する料理がカンボジアやタイなどの東南アジアの地域
とかでは、炒め物とかの料理にこの生の胡椒が使用されていたりします。


そしてグリーンカレーにも現地ではこの生胡椒がカレーの上に乗っていて、
これはもちろん食べられるものです。

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実際に生胡椒をかじってみるとわかるのですが、盛り付ける際に取れてしまった
一粒の生胡椒をかじって食べても、直後は非常に辛いです。
でもその後、山椒のような心地よい香りが口の中に余韻として残りますので、
辛いのが得意な人は一緒にかじってみるのもお勧めです。
(苦手な人はやめるべき)

今食通の間で人気を集めている「生胡椒」を塩漬けしたものもあるようですが、
日本のタイ食材屋さんでもこの生胡椒はなかなか置いている所が少なくて、
「たまに手に入ることがあるくらい」ですから入手できたときには、
大量に仕入れて保存し、グリーンカレーで提供しています。


余談ですが、中国では西方から伝来した香辛料という意味で、
胡椒(胡はソグド人を中心に中国から見て西方・北方の異民族を指す)という漢字が用いられ、そのまま日本にも使われました。そして日本には中国経由で伝来し、
天平勝宝8年(756)、聖武天皇の77日忌にその遺品が東大寺に
献納された際にその目録『東大寺献物帳』の中に胡椒(こしょう)が
記載されていました。

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前回こちらの記事で、キーライムについて記事を書きました。
せっかくなので、ほかの食材についてもこの場で紹介していこうと
言うことにしまして、今回は「コブミカン」を取り上げます。

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コブミカン(瘤蜜柑、学名: Citrus hystrix)は、
タイ、マレーシア原産の柑橘類の1種で、
ミカン科 Rutaceaeミカン属 Citrusコブミカン
世界的な名称で「カフィア・ライム」と呼ばれていますが、
ライムとは別の種類です。

特にタイの市場・スーパーに行けば、この前のキーライム(マナオ)
同様、普通に販売されています。
ちなみにタイではマックルー (makrùut、มะกรูด)と呼ばれています。 

緑色の実はそのごつごつとした瘤状のものに覆われており、
4cmほどの小さなサイズが特徴です。
葉柄部分の左右に翼(よく)があるが、
葉柄部分と葉身部分の大きさの差があまり無いため、
葉全体が二段になっているように見える。この葉は強い芳香を持ち、
煮込み料理用ハーブとして使われます。(とあるお店でも非常に活用しています)

この瘤蜜柑の葉の事をバイ・マックルー(bai makrut)
カフィア・ライムの葉(kaffir lime leaf)と呼ばれ、
粉の部分が一番料理に活用されます。

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これは、昨年9月と今年の1月にタイ・バンコクの料理教室
での画像ですが、このようにこぶみかんの葉を細かく切っていました。
いろんな料理に使いますが、代表的なものだけでも、

・グリーンカレー
・トムヤムクン

では必須のもの。そのほかの数多くの料理に使います。


果皮はエッセイシャル・オイルを豊富に含み、
果汁は非常に酸味が強い特徴がります。
エッセンシャル・オイルは芳香剤として利用されますが、
こちらも料理として、グリーンカレーのペーストがありますが
その中にこのマックルー(こぶみかん)の実の皮(瘤状の部分)
を少し入れてあります。

果汁はシャンプーとしてフケ止めとしても添加されたり、
歯肉炎防止のため歯磨き粉にも利用されます(髪が若返るとも言われています)。

そのほか果肉や果汁を利用する料理としては、ゲーンテーポー(ナマズカレー)、
ゲーンクワパックブン(炒りパックブンカレー)などが有名です。
すべすべして肉厚の葉もスパイスとして、生臭さを消すために利用される。
こぶミカンの若芽は野菜として生食にも適します。

ちなみに果汁と果皮はインドネシアでは医療で使用されるそうです。
このため、この果実はインドネシアではジェルク・オバット
(「薬のミカン」という意味)と呼ばれることがあります。
果皮から取れる油には強い殺虫効果もあり、
近年の研究で、コブミカンの葉は複素環アミン類等の変異原物質に
対して強い抗変異原性を示すことが明らかになっており、
発がんリスクを低減できると考えられているそうです。

長年検疫の関係で持ち込みの規制がされていましたが、
最近は苗が出回るようになりましたので、これからますます注目されるでしょう。


ちなみにこの「コブミカン」の苗を
先日ネットで購入して昨日から置いてあります。

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うまく育つとよいのですが・・・・。

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趣味で絵を描くブログでUPした「キーライム」というもの
実は、これの正体がタイの「マナオ」ということがわかりましたので
こちらにも記事を書くことにしました。

このライムは一般的なライムより小粒なライムで
アメリカから中南米で親しまれている小さなライムです。
(絵では違いがわかりにくいですが)

いろいろ調べてみると、ライムはインドから東南アジア原産と言われています。
本来は小型のものですが、南アジアに分布していた
マナオを探検家がヨーロッパへ持ち帰り、やがてフロリダや西インド諸島へ
持ち込まれたマナオ(キーライム)とレモンをかけ合わせ、
大型化したものはタヒチアンライムと呼ばれるようになり、
日本で見かける「ライム」はほとんどタヒチアンライムとなります。

それに対してマナオ(キーライム)はメキシカンライムとも呼ばれ、
改良前の小型ライムで日本のスダチに近いもの。
やや黄色い皮が薄くて絞り易いため、果汁が多く香りも強く感じるのが
特徴です。

キーライムと呼ばれている理由はフロリダのキーズ地域(Florida Keys)
に自生しているところからそう呼ばれ、
メキシコではコロナビールを飲むときに使うライムとして必須です。


ところで、ここまでこのライムにこだわったのは、理由があります。

当店で出しているタイ料理(ベトナム料理なども含めた東南アジア全般)
でこのマナオ(キーライム)が料理に必須なのですが、
このタイ産のマナオ(ベトナム産チャイン)は、日本の輸入が
現在禁じられています。
※メキシコ産は問題ないようなのですけれど

その為、よく使われるレモンを代用品に最初は使いましたが、
レモンでは刺激が強くなってしまいます。
ライムやそのほかシークワーサーとか日本の果実いろいろ試しても
本場のマナオとはちょっと味が違うという事で使えませんでした。
タイ産のマナオ果汁を冷凍にしたものだけ輸入可能ということで
それを使って味を調整していました。

そして、つい先日仕入れに利用するタイ食材屋(タイマーケット)さんに
「マナオ」としてメキシコ産キーライムが売られていたので、気になって調べると
実際に味見するとほんの微妙に違いはあるかないかのレベルでした。
それは、タイとメキシコの気候の違いに由来するし、マナオ果汁で確認
しましたから、おそらく誤差範囲ということで
お店で取り入れることにしたのです。
キーライムもマナオも学術的には(ミカン属C. aurantifolia種)
ということで問題なさそうです。

本来ならタイ産マナオを使いたいところですが、
輸入禁止である以上どうしようもない。でも可能な限り同じものということで、
10年来のうやむやがずいぶん晴れました。
(それを記念して描いて見たと言う結論です。)

「そうだマナオだ!あれを使わないとタイ料理にならない」
と、昔タイの日本料理店で成功して日本でタイ料理店を始めた
社長も行っていたことを描きながら思い出しました。

それにしてもコロナビールに使われているライムが
マナオとほぼ同じとは正直驚きました。
そういう発想も無かったので、調べてもいなかったのですね。

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