さて、先ほどに続いて先週訪問したスリランカ料理の写真ですが、実は帰り際
一つだけ気になることを言われたのです。それは「辛くなかったですか?」と。
私たちは、普段から香辛料を使ったような東南アジア料理を作っていますし、
現地に渡航した際にもそういう料理を普通に食べるので、全く「辛い」とは
感じず、寧ろ「旨い」と思ったもので、それはそれで問題も
何もなかったのですが、ただ「辛い」かどうかで
料理の評価の指標になっているのではとちょっと気になりました。
数年前の事だったと思いますが、昔行列のできていたカレー屋さん
(そこはインド系?記憶曖昧)で食事をしたとき、その前にネット上での
情報を収集した時の口コミ(個人のブログ)を見ると「とにかく激辛」=「旨い」と表現されていた事に違和感を覚え、おかげでその記憶が今まで残りました。
辛さの度合いが比例して旨さの度合いのようになっていてそれはどうなんだろうと。
確かにタイ料理は辛い料理が多いのも事実で、熱帯地域ですから
年中熱いこともあり、そこで辛い物を食べることで元気づけている
食文化の伝統のようなところもあるのは事実なのですが、
別にタイ料理がすべて辛いわけではなく、辛くないタイ料理の代表格のように
「カオマンガイ」と言う鶏肉が乗っている料理が2・3年くらい前から受けていたり
しています。(しかし、辛くないが強調されすぎて、旨みが2の次のように見えます)
また以前よく聞かれたものでベトナム料理=辛いという間違い。実際にベトナム料理の場合辛い料理を探す方が大変ではないかと思うくらい、実は優しい味の料理が多いのが現実のところです。
それはベトナム料理とタイ料理がごちゃごちゃになっている人が多く、
その事が原因でしょうか?そういう風に聞かれてしまうのです。
ここで調べてみると、どうやらラオス・カンボジアという間に挟まれた
両国の食文化が陸続きの2か国の影響を受けているために起きている現状を
確認できました。
実際に渡航してわかったところではありますが、特にカンボジアはアンコールワットの遺跡群がありますから、観光客で訪問する人も多いですし、また日本では
タイ料理店がベトナム料理を出したりその逆もあるから、一般の人にとっては同じもので、「辛い」が優先されているような気がします。
ただ、当店も(屋号からして)半ばそれがあり、少し反省すべきところなのかもしれません。
9月にリニューアルした店内(撮影:吉田一廣)
さて、話がそれましたが「辛い」=「旨い」と言うのはどうも納得できないところが正直あります。ところが、辛い料理は慣れてしまうと病みつきになったりさらに辛い物を求めてしまう傾向があるようで、通常唐辛子3本も使えば十分「辛い」料理でも物足りないという人に10本の唐辛子を入れたとしても「平気」なんていう人もいるから驚きです。
ところでこちらはバナナですが料理用
(実はそういうバナナが東南アジア圏に存在する)なのです。
このバナナを使った料理ではあまり見かけませんが、「辛い」のは食文化の一つなのでやむを得ないとはいえ、その中に隠れた「旨い」料理がある事。
そして辛くない料理でも、十分おいしい料理も数多くある事。そういう事実を当店で多くの人に提供していきたい。そのように思います。
だから 「辛い」<=「旨い」としたいところです。
フィリピン料理などむしろ甘い位ですし。
追記:
ちなみに当店の料理が「辛い」かどうかを尋ねられることも実際に多いのですが、正直「辛い」の定義は人によって違うので、はっきり言って答えが難しいところです。
(私たちはその人の舌を持っていないので)
そこで一つの指標を出したいと思います。おそらく一般的なカレーの中辛と大辛の間くらいの料理が多いかと思います。
ですから中辛を辛いと思う人にとっては辛い料理が多い(もちろん中辛より辛くない料理もありますが)ですし、大辛を平気と思えば、辛い料理はそれほど多くない(もちろん大辛より辛い料理もありますが)となるのかなと思います。ご参考までに。