乗り継ぎがぎりぎりと言う「ヒヤリ」はありましたが、無事に最初の目的地ベトナム中部の古都「フエ」に到着し、まずはホテルに入りました。



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こんな雰囲気の部屋になります。チーク材と思われる重厚な木材をホテルの調度品で使われていますからそれだけでどことなくリッチな気分になりますね。

この日は、フエの宮廷料理をいただきます。
レストランに向かいます。

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意外に他のアジアの国ではあまりないような意識があるのがこちらの
宮廷衣装に着替えるというオプションではないでしょうか?
2010年のベトナム縦断ツアーでも一度フエのレストラン(別のところ)
でやりましたが、結構盛り上がるものです。

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と言う事で着替えました。

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記念撮影。皇帝役にはホスト役のシェフおぐしが務めます。
こういう役は誰が良いのかとか考えたら喧嘩になりますから?
と言う事か否かはわかりませんが・・・・一人だけ服の色が違いますから
目立つのは仕方がないとして。

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レストランの雰囲気です。衣装もさることながらレストランの建物も豪華絢爛。
本来はレストランの会場に入る時に外から、皇帝役を先頭に行進をするのですが、残念ながら雨のためそれは取りやめになってしまいました。大したことでもないのですけどね。


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完全にコスプレ状態ですが、むしろ世間でコスプレなるものがなぜ流行るのかが
分かったような気がします。

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宮廷料理は、ある意味皇帝のために作られた最高級の料理と言う事で
その絶対的な独裁者「皇帝」のために料理人が至高の作品を作るという、普通に見たら単なる食べるために存在する野菜などの食材をアート作品に仕上げてしまう芸術家集団でもあるのですね。

食事の前に伝統音楽の演奏がありました。動画で抑えましたよ!


この宮廷芸能であるニャーニャック(雅楽)は、ユネスコの世界遺産の無形文化遺産に登録されているそうですよ。
音楽の生演奏は、音楽大学の先生たち。素晴らしい演奏ありがとうございました。

ここから食事が始まります。

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東南アジア10カ国の中でもベトナムだけはちょっと浮いている感があって
それは小中華の世界観があります。言語も昔は漢字に近いものを使っていたり、
歴代王朝も、中国の王朝を見習った雰囲気があります。

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このあんかけスープなども・・・当然その料理も中華っぽい雰囲気がちらほら。
※ただし、ベトナムの場合そこにフランスの影響が入りますからさらにすごいのですけどね。


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こちらがメニュー。なんとなくフランスっぽくないですか?


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さて、「フエの宮廷料理」と言えばと言うのがやってきました。
食材をアートにした作品。鳳凰と思われる鳥があたかも異国人である私たちを
歓迎するかのように舞っているようですね。

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次々と料理が運ばれてきます。
ちなみにベトナムのフエ王朝(阮朝)は最後の王朝で、成立したのが1802年
で、初代皇帝は嘉隆帝( ザーロン / Gia Long)で、13代続きました。

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名目上は、日本の太平洋戦争(大東亜戦争)が終わった1945年まで続きました。
しかし、1887年からは、フランス領インドシナの支配下に置かれました。

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2代目の明命(ミンマン)帝の頃までは勢いがあって、西のライバルだった
タイの王朝との覇権争いで、領土拡張(でもそれはカンボジア領)をしたほど
だったのですが・・・・。


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しかし、3代紹治帝( ティエウチ / Thiệu Trị)4代嗣徳帝( トゥドゥク / Tự Ðức)
位になると状況が逆転。欧米列強フランスが進出してきました。キリスト教を弾圧したという「名目」で事実上占領されてしまいます。

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その後は、フランス領インドシナの一部として生き残りました。当時フランスのライバルだったイギリスがミャンマーの王朝をつぶしてしまったのとは対照的に、フランスは王朝を残したみたいですね。そういえばカンボジアのアンコールワット(ここもフランス領)の素晴らしさを見出したのはフランス人探検家で、彼らがフランス政府と協力してアンコールワットを調査・改修して世界最高級の観光遺産として復活しましたね。


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結果的に13代保大( バオダイ / Bảo Ðại)まで王朝は続くことになりました。しかし、抵抗する勢力も中にはあって、その代表格が8代(ハムギ:Hàm Nghi)咸宜帝です。ですから、この皇帝に敬意を表してホーチミンなどベトナムの各都市にはハムギー通りと言うのがあるわけなのです。

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途中で歴史の話ばかりになってしまいましたが、少なくとも今回の宮廷料理は今まで何度か味わった食べたフエの宮廷料理では一番ではという程の再現力の味のうまさでした。

ところで私たちの店も、これはベトナムだけではありませんが東南アジア10カ国の歴史的な背景を意識しながらこれからも料理を作っていきたいと思いました。今回のフエの王朝の歴史を振り返りながら食べる宮廷料理の良さを感じながら思ったのは、
ベトナムが一時期フランスに支配された歴史は本来喜ぶべき事実ではないのです。しかしながらその結果食文化として単なる「中華の模倣」から「フランスの影響」と言うエッセンスが入ったからこそ、独自の料理文化として開花した事実があるのですからね。

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と言う事で食事の後は、リラックスを増幅させるアロママッサージ1時間体験してからホテルの部屋に戻りました。まだ初日から楽しいイベントが続きましたが、今宵はここで一休みして明日からさらなる「注目のベトナム中部」を満喫させていただきたいと思います。