新体制直前で思う所が多いためか、一つのお店訪問で3つのテーマが浮かんでしまいました。そこで3つの記事に分けましたが、これが最後。
今回訪問したスリランカ料理のお店の情報を見ると、実際に食べてみてその理由がわかりました。そこには「満を持して激戦区に登場」と、この場所に移転してきた理由がアピールされていました。

というのは、昨今ブームになっていて、当店の隣にもあるカレー「スパイスカレー」というものは本来スリランカのカレーの発展形だと書いてありました。
実際に食べてみてスリランカ本来のカレーはそれほど辛くないのですが、それをもとに辛いのが好きな日本人が「辛さ」をパワーアップさせた創作料理がその正体で、それがブームとなって、店が急激に増殖していったそうなのです。
※実は当店の隣のお店(最近は落ち着きつつも、深夜を得意とする暗黒店ではないほう)も昼間はスパイスカレーを出しています。

その事に警笛を鳴らす人たちもいて、そういう人たちにとっては本来の味である
スリランカカレーの名店が来たと喜んでいたという事なのです。

そこで、思ったことです。
私たちもそうなのですがいわゆる「ブーム」とは距離を置こうと思うのです。

実は、この「ブーム」なるものに昔、巻き込まれたことがあったのです。
それがこちらの「ジンギスカン」2004年暮れから2005年にかけて起きた
異常なブームをもろに受けました。

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ジンギスカン(こちらは2009年頃撮影)

当時は東南アジア料理よりもビールなどを主体としたお店だったのですが、
そのようなブームになる半年前に当時の常連さんから、
「ジンギスカンの本場北海道にはニュージーランド産のラム肉が売られていて
新鮮でビールのつまみに良いですよ」
とのアドバイスから取り寄せを始めたジンギスカン。

最初は特に問題なかったのですが・・・・。

ブームが始まりだした当初は、マスコミの取材がやたらと多くなり、(取材後の影響が大きすぎることを恐れてすべて断ったのですが)その後、ネットなどで調べたのか本体のお客さんが次々現れました。中にはチェーン店の社長とか大手上場企業の支店長とか、普段先ず来ないような人の姿も現れたほどです。

ビールの店と思われる同業者からのジンギスカンに対する誹謗・中傷もあったり
しましたが、当初は良かったのです。ラム肉以外のメニューにも興味を示されたりして良好な関係で進みましたから喜んだものですが、途中からですね明らかにらかにおかしくなったのは。

最初から「国産ラム肉」などと言ってないのに勝手に思い込んで、違うとわかると店を否定してけなす親父を始め、
ラム肉にどういう嫉妬があるのか、牛肉派とかを必死にアピールする女性。
保守的で羊肉は臭いと否定しながら恐る恐る食べる人、
あとその逆で臭い羊が「本物」だと称してわざわざマトン肉を送りつけてくる人
極めつけは893のような連中が表れだし、「店の場所がわかりにくい」と言いがかりをつけたり、別の893は、突然魚介類を持ってこいと言い出してラム肉を馬鹿にしたり・・・・

本当に訳の分からない人まで来たので、途中で提供停止したほどです。
ブーム去ってからしばらくして再開。正常に戻り2009年くらいまで細々と出していました。


そうそう、肉屋さんも愚痴をこぼしていました、北海道から航空便で送るのに天候の関係で飛行機が出ないから質が落ちると説明しても「それでも良いから送れ」と言われたそうです。私たちは無理な時はそれを了承してお客さんに説明ましたが、そのくらい異常事態になるんですね。

これは、どうやら当時狂牛病の問題が発覚してアメリカなどから牛肉が輸入できなくなったころに行われ、その代用品として政府・広告代理店・メディアあたりが
意図的に作った「ブーム」らしく、そのブームが去った(牛肉の供給が復活した?)後起きた事。それはこのブームが始まってから雨後たけのこのように出来始めた
近隣のジンギスカン専門店がほぼ全滅したという事実なのです。唯一残ったのが
当店(専門店じゃないけど)とは何とも皮肉ですね。
どうも店の外やネット上の情報などから分かったのですが、彼らの店のメニューにも問題があったようです。ジンギスカン以外にあるのはキムチと白ごはんという。「貧弱」そのあたり「短期の利益回収」だけを目当てにしていたのならいざ知れず、ブームが去った後の対策を行って無残な結果になったような気がしてなりません。

つまり10年以上の前の事を今でも愚痴りたくなるほど
すさまじかったという事です。


東南アジアでは、いわゆる「パクチーブーム」なるものが起きていますが、
本来、英語名:コリアンダー(日本名:コエンドロ)は、東南アジア
これも、厄介でなにかを「パクチーサラダ」と勝手に命名されたり
「パクチー鍋」と言う聞いたこともない料理の予約の電話がかかってくるなど
正直不快なことも多かったですね。
知り合いの某店がパクチーに対して明確な意見を店の前に張り出して、ツイッターで広まったのを見て気持ちが晴れ晴れになったものです。

と言う事で今回も長くなりましたが、当サワディシンチャオでは
ブームと言う異常事態を避けて営業し続けたいものです。

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こちらは、占い師の「飴春」さんが描いた絵なのですが、この架空の動物の絵は
不思議な魅力があります。でもこの動物が今はやりのブームになっている
キャラクタではないと思います。だからブームに踊らされることなく本物の目を養い、そしてその視点でこれからも店を続けていければと思います。