私たちは、東南アジア料理店ということもあり、市民権を得つつある
タイ料理以外の国の料理にも力を入れようと、つい先日2度目のフィリピンに
渡航して学んだたわけで、そのお披露目の料理会を開催しました。

ところで、これには過去の苦い経験もちょっとあったのです。
実は今回を入れてフィリピン料理のイベントは3回目ですが、
最初、時期も忘れてしまいましたが、2014年の1度目の渡航が
終わってしばらくたって開催したフィリピン料理のイベント。

これまでタイ料理やカレーのイベントだとそれなりに人が集まりにぎやか
だったのですが、このときは参加者がわずかのさびしい状態になって
ちょっとショックを受けたものです。「フィリピン料理では駄目なのか」と。

確かに2014年渡航時は、フィリピンという国に対してグルメの視点での
情報が皆無に近く。「アドボ」とかいくつかの料理は知っていても、
それだけで、情報といえばリゾートの話そしてそれ以上に「治安」という
キーワードが優先され、唯一安全なのがセブ島でマニラは893が
行くようなところだから危険というイメージしかありませんでした。
それでも実際にいけば確かに富裕層エリアと庶民エリアはありましたが、
特に通常の海外渡航時への備えをしておれば決して他国と比べて特段危険では
ないことがわかりました。

そのときに現地で購入した、国際アワードを取るような
レストランのレシピ本を元に前回のイベントでは初回ほどではないものの、
新しい人も含めた参加者でのんびり楽しめた内容でした。


そういった敬意を含め一度しっかり学ぼうと今回の渡航では、
苦難の末どうにか見つけたフィリピン料理教室で学び、そ
して現地の料理を確認した直後の記憶覚めやらぬうちに
今回のフィリピン3回目のイベントを開催したのです。

今回は参加者の数も今までとは違いました。それだけに期待も多く、
そして私たちも気合が入りました。

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フィリピンは日本と同じ島国。気がつけば魚を食べる機会が多かったので
シーフードレストランに行く必要もありませんでした。
日本で手に入る魚で料理を再現します。


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現地の料理教室で学んだスープも仕込みも着実に進みます。


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現地で購入した食材(春巻きの皮)も今回利用します。

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フィリピンは約300年間スペインに統治された国
ゆえに、スペイン料理(特にバスク地方の料理)から派生もしくは
そのものを受け継いでいる料理が結構あります。

フィリピン料理を食べる会:3500円(ワンドリンク付)

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前菜:キニラウ


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黒鯛のスープ(シニガン)
※マニラの料理教室で習いました


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これは、バゴーンというフィリピンの味噌のようなものです。

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豚肉と鶏肉のアドボ
※マニラの料理教室で習いました




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これは、「レチョン」という豚肉の丸焼きを再現したものです。
2014年渡航時に専門店で食べました時には、ちょっと感動から
程遠かったのですが、今回の渡航時にはしっかりおいしく
味わうことができたので、再現料理に加えることにしたのです。


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ピナクベット(なす・ゴーや入りの煮込み料理)
※マニラの料理教室で習いました




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空芯菜の炒め物(アドボンカンクン)


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フィリピンの揚げ春巻き(ルンピア)
添えているものは、カラマンシーという果実です


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皮付き豚肉の丸焼(レチョン)
※添えているものは青パパイヤとニンジンです。


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カマスのフィリピン式揚げ(プリトロング・イスダ)

※料理教室ではこれではなくシニガンのほうで見たのですが、
フィリピンの魚は背のほうから開いて捌いていました。面白いですね。


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ムール貝のパエジャ、カラマンシー添え

※パン文化圏の欧米でありながら米を食べるスペイン料理
ひょっとしてこの米ってフィリピンから逆輸入された
のではと一瞬思ったのですが、調べれば残念ながらこれは
9世紀ごろのアラブ人によって伝わったそうです。
(当時スペインははウマイヤ朝というアラブ人国家)

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フィリピンのデザート&フルーツ


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以上です。
今回はおかげさまでフィリピン料理をテーマにしたイベントでは
一番盛り上がりがあったと思います。その中には当店のなじみの方ですが
ご自身のイベントでアジアの料理を出している方がおられます。
ぜひとのこの機会に知名度薄いフィリピン料理を出していただいて
おそらくタイ料理よりも多くの日本人の口に合いそうな
フィリピン料理が広まればと思います。

その事でなくとも、フィリピン料理の知名度アップに当店も
できるだけ貢献したいと思いました。
(といっても決してタイ料理やベトナム料理を
軽視することはありませんのでご安心ください)

ちなみに今回は再現料理というイベントですから、この内容でワンドリンク付
3500円でしたが、これはもちろん特別サービス。
実際なら5000円級のコースになるかと思いますので、
その旨ご理解いただければと思います。



追記:
ちなみに今回の日程からしてハローウィンに近いこともあり
それを意識したものも検討していました。しかしながらフィリピン本国に
渡航して見たものはハローウィンはほとんど存在感がなく、
すでにその背後に控えるクリスマスモード一色でした。

さすがはキリスト教カトリックの国。もともとケルト地方のの悪魔退治から
来たような祭りなど歯牙にも掛けない事がわかりましたことを念のために
付け加えさせていただきたいと思います。