当、サワディシンチャオは、通常の受託型のオーダーを受ける飲食営業とは
別に定期的に提案型の食事会を開催します。
これは、好きなものを作りたいということなのですが、
どうしても定番ものを通常の営業では求められるために
料理に対する向上心への影響が懸念されますから、
こういう機会を設けて新しいもの、そして将来の名物料理への布石
としてこういう食事会を開催しています。
ということで、貸切として料理を作りました。
今回のテーマは「素食」ベジタリアンメニューといえば
わかりやすいでしょうか?
本来、雑食性の人間ですが、あえてその中でも動物性のものを
排除した料理を作るという。
これは日本もそうですが、ベトナムやタイと言った国々は仏教国ということで
仏教上の姿勢としての「殺生」を禁じる意味で、
伝統的に非動物性の料理(素食)の文化が根付いています。
そしてそういうものを食べる日というのも決まっていたりします。
日本でも精進料理というのがありますが、これらのアジアの国々でも
「素食」と呼ばれる精進料理というのがあります。
それをテーマに作ってみようとなったのです。
こちらは、揚げ春巻きの具材。通常入るべき海老や豚ミンチは入っていません。
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そういう宗教上の理由とは別に、独自の主義主張を元に
欧米圏からベジタリアニズムという概念が入り込んできました。
詳しくはリンク先を参照していただきたいのですが、
その、ベジタリアンにもいろんな種類があり、卵や乳製品の扱い
についていろいろな段階がありますが、もっとも厳しいのがビーガン
と呼ばれる人たち。
完全に植物性だけということで、それを意識した
メニューをこれまでも私たちが提供して好評を得ました。
ただ「肉」を抜くのではなく、肉由来の油とか調味料も避けないといけませんから
結構大変なのです。(東南アジアは魚醤の国ですからね)
http://asianfoods.biz/g_2016/vegetarianism/03.JPG
こちらは、木綿豆腐。今回「肉」に変わって大活躍しました。
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ところが、この「ベジタリアニズム」という概念は、宗教上やアレルギーの
こちらは、木綿豆腐。今回「肉」に変わって大活躍しました。
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ところが、この「ベジタリアニズム」という概念は、宗教上やアレルギーの
それとは違い、哲学的な思想が由来とあり、これを実践する「ベジタリアン」
の方々のイメージとしては、味の問題は二の次で、
とにかく動物性の「肉」を排除するということを最重視している用に見えます。
ですから、肉の「うまさ」を我慢してでも、
その理論・思想を実践する「禁欲的」なイメージが先行してしまい、
実際私たちもそのように理解していました。
私たちは肉も普通に食べる「雑食性」人間なので、
「肉を排除することは理解はできない」しかしながら、
そういう「考え・思想の人たちのことは尊重する」というスタンスで
ベジタリアン料理を提供していました。
今から一年ほど前までは・・・・。
中に豆腐などの植物性のものを骨に見立てたレモングラスに取り付け
周りを湯葉で囲み、バラけないように紐でくくります。
その後、これを蒸すのです。
最終的には骨付きもも肉のようになるのです。
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昨年の9月に、私たちはタイのバンコクとラヨーンにいきました。
ここで、トップシェフ「ビチット・ムクラ氏」からグリーンカレーを学んだり
「タイの鉄人」こと「イアン・キティチャイ氏」の創作料理とか学んだり
していました。それらが終わった滞在最終前日の朝に、宿の近くにある
あるタイ料理レストランに行きました。そこは「ベジタリアン・タイ料理」
のお店でした。
青マンゴーのサラダを作ります。普段は青パパイヤを使った
サラダがあって、そこには海老とか鶏肉が入りますが
今回はそれは入りません。左上の調味料「FISH SAUCE」
とあり、魚醤(ヌクマム)のようですが、もちろん違います。
そのまえに「VEGAN:ビーガン」と書いています。
つまり「偽魚醤」です。個人的に勝手に「ニセマム」と呼んでいるものです。
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タイのベジタリアン料理店人気ということで入りましたが、
当初は期待していませんでした。
「どうせベジタリアン料理だから」と、ところが実際に食べてみて
その期待は見事に裏切られ、本当においしいから驚いたのです。
私たちは普通に肉を食べます。そのような人間でも普通においしかったのです。
入れますから面白いですね。海老の代わりに人参はお約束ということで。
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そして、今年の1月にベトナムホーチミンに渡航した際、
ホーチミン最大の仏教寺院である「永厳寺」の境内に
ベジタリアン(精進料理)のお店があるということで、
行ってきました。そしてやはり違和感なく「おいしい」と。
その日から一度そのことを伝えようとしたのがこの日の食事会。
ですから、イメージ払拭のためあえて「ご馳走会」と命名しました。
今回は関心が高かったのか10名集まりました。
最初にシェフから今回の食事会開催についての説明がありました。
素食ご馳走会:10名様 一人3500円(ワンドリンク付き)
http://asianfoods.biz/g_2016/vegetarianism/08.JPG
精進生春巻き
素食ご馳走会:10名様 一人3500円(ワンドリンク付き)
http://asianfoods.biz/g_2016/vegetarianism/08.JPG
精進生春巻き
実は、ここで後から気づいたのですが、ちょっとミスをしてしまいました。
それはニラを入れてしまったのです。
ニラは植物性なのでベジタリアンとしては問題ないのですが、
仏教系精進料理(定義上では、オリエンタルベジタリアン)では
本来入れてはいけないものです。
五葷(ごくん)と呼ばれるもので「にんにく」「にら」「らっきょう」「ねぎ」
あるいは「たまねぎ」、あるいは「浅葱」を摂らない。とあります。
後でベトナムの寺院のレストランの春巻きを見たらニラはありませんでした。
実は料理でよく使う「にんにく」とか「ねぎ」「たまねぎ」は今回使いませんでした
にんにくは先日仏教系では忌み嫌うようなことがありましたが、そうニラもそうだったのです。
普段の生春巻きで必須アイテムとして使い、
かつ野菜ということで見落としたミス。ちょっと残念でした。
ただ今回の参加者の中に仏教僧の人はいませんでした。
また、特に異議を唱える人がいなかったのが幸いでした。
(次回作るときは注意します)
http://asianfoods.biz/g_2016/vegetarianism/09.JPG
かぼちゃと豆腐団子のスープ
http://asianfoods.biz/g_2016/vegetarianism/10.JPG
青マンゴーのベトナムサラダ
普段は周りに海老せんべいをおきますが、
今回はそれができませんので、ゴマのライスペーパーを揚げました。
http://asianfoods.biz/g_2016/vegetarianism/11.JPG
揚げ豆腐 東南アジアライム添え
http://asianfoods.biz/g_2016/vegetarianism/12.JPG
ハーブたっぷり揚げ春巻き
http://asianfoods.biz/g_2016/vegetarianism/11.JPG
揚げ豆腐 東南アジアライム添え
http://asianfoods.biz/g_2016/vegetarianism/12.JPG
ハーブたっぷり揚げ春巻き
というべき素材です。今回はベトナムの専門店で販売していたものを
使ったのですが、これが大好評でした。
日本でもあるそうなのですが、そのソイミートは臭くてまずいと
いうのです。
ある情報では東南アジアのベジタリアンに対する考えは
日本よりはるかに進んでいるとも聞きました。
こういうところも関わっていそうです。
さて、先ほど仕込んでいた鶏肉もどきは、ベトナムのカレーとして
煮込んでいました、見た目「肉」のように見えたから驚きです。
http://asianfoods.biz/g_2016/vegetarianism/16.JPG
こちらは白きくらげです。デザート用です。
ベトナムチキン風カレー
チキンではなくチキン風ですが、チキンの代わりは無事に務めてくれました。
そして、炊き立てのタイ米(ジャスミンライス)も用意しました。
そして、やはりあの料理にも顔を出してもらいました。
実はベースであるグリーンカレーペーストには「ガピ」と
いう海老ペーストを入れるのが定番ですが、それをいれると
こういうベジタリアンメニューでは使えませんので、私たちはペーストには
「ガピ」をいれず、グリーンカレーとして作るときに入れるようにしています。
でうから、当店の自家製グリーンカレーペーストはベジタリアンでも
通常でも両方対応可能になっているのです。
http://asianfoods.biz/g_2016/vegetarianism/19.JPG
当店名物:自家製ペーストのベジタリアングリーンカレー
当店名物:自家製ペーストのベジタリアングリーンカレー
以上です。今回は私たちにとっても学びの場として
ベジタリアン料理を研究して作り上げました。
参加者の人たちからも大絶賛で
ベジタリアン料理=禁欲のまずい料理というレッテルを
すこしでも印象が変わるきっかけに
なれればと思いました。
今回はサービスですので実質3000円で提供いたしましたが、
今後価格については改めて検討することになりますが、
こういったベジタリアンのコース料理も
作れると思いますので、どうぞよろしくお願いします。
こちらは原紙です。
コース料理を食べてその場で感動してもさて何食べたかと
わからなくなったりしますから、こういうものをお渡しすると
大変喜ばれますし、今後もやっていこうと考えております。