ところが、ここで大きな壁と言うか異を唱える人たちがいました。

それはMの古くからの知人で、飲食などのデザインを考える専門家の人。、

「最初に出す店としては工事費等が高く難しいのでは」

「やはり、居ぬきで郊外でやったほうがリスクが低い気がする」

「本当なら店ではなく、このマンションでパーティを定期的にした

ほうが良いのでは」と、飲食店開業そのものへの疑問をも投げかけられるなど、

やや辛口の意見を聞かされ、少し考えさせられました。

しかし、考えて萎えかけて言るHの横で

Mの考えは違ったようで、飲食店開業の強い思いは変わりませんでした。

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当時働いていた職場が奇しくも心斎橋駅の近く。

倉庫物件の近くでもあったので、昼休みに近隣調査を兼ねて

ランチタイムに、ごはんを食べに行っていました。

辛口の意見はあったものの、そちらからのルートで不動産屋さんからの

FAXが届きました。

その中に気になる物件が出て来ます。

それは、北区西天満にある物件。早速その物件と回りの流れを見ます。

物件そのものは決して悪いものではありませんでした。

路面に面していてわかりやすそうです。しかし気になる点があったのです。

昼間のランチタイムなのに人がいないということ。

やはり人がいないと苦戦を強いられると言う事でここは断念。

直ぐ近くにアーケードの商店街がある

あの博労町の倉庫物件のほうが遥かに魅力的です。

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この物件での条件を確認しました。

一階が飲食店で二階が住居でも可能かどうか・・・

回答は条件付(図面作成)でOKでした。

このことも大きくこの物件に気持ちが移ります。

の時点で80%の確率でここにしようと考えました。


そして残り20%の為に、ある日の正午少し前、

物件の前で待ち合わせたMとHがいました。

このころHはこの物件の近くで働いていましたので、物件の存在を知ってから

ひそかに物件近くのお店のランチの調査をしていました。


ビジネス街とお買い物街が混在するこの場所はお昼になると多くの人が

出てきます。西天満の比ではありません。

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そして路地の前で二人は見ました。すると正午を過ぎたあたりから

その路地に面していた3つのお店に交互に人が吸い込まれていきます。

ある人は一番手前の大衆居酒屋。ある人とは隣の割烹。

そしてある人は割烹の目の前にある洋食屋に・・・・。


「巨大な掃除機に吸い取られているみたい。
         この路地奥には強力なマグネットがある!!」

この物件を取得することを決断した瞬間でした。
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とにかく当時はすごかったですね。

2軒の和食店と1軒の洋食店の吸引力。

やがて洋食店が閉店してからこの路地はかつての勢いは失ってきていますが・・・。


店を開業もしくは2号店などの多店舗展開を考えている人でも

理想の物件と出会うのは本当に困難な事、

知り合いの人も見つけるのに1年近くかかったと言っていました。

(もっとかかるという人もいます)

物件は登場とタイミングで、早い者勝ちと言うのがあります。

見つけても直前に他の人にとられることもあるのです。

ですから、8月下旬の開業決意からたった1ヶ月あまりの9月26日に

理想的な物件を取得(仮押さえ)できたことの素晴らしさは、

早くもこのお店が末永く続いて愛される店になる運命を持っていたのでは

ないかとさえ思いました。